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SE,PGのためのヒューマンスキル vol.3

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    ITプロフェッショナルのためのリーダーシップ
    メールマガジン【第3号】

〜 2008年11月19日 (水) 発行 〜
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このメールマガジンでは、「ITプロフェッショナルのためのリーダーシ
ップ」をテーマに全10回に渡りお届けします。
想定している読者層は、SE、PG、PM等のIT業界の方々です。
物語形式で進んでいきますので、小説を読むような感覚で、リーダーシ
ップについて理解することができます。

第3号の今回は、この物語の主人公である西村さんが、先生から質問力
をつけるためのコツを教えてもらうシーンから始まります。
それでは、物語の続きを見てみましょう。

(物語のバックナンバーは下記URLから購読いただけます。)
http://archive.mag2.com/0000275708/index.html

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● 第3話 「 日常会話とコーチングの違い 」
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コンコン


ドアをノックする音が鳴った。

先生 「どうぞ。」


ガチャ

ドアが開いた。入ってきたのは先生の秘書だった。コーヒーを持ってき
てくれたのだ。


西村 「ありがとうございます。」


コーヒーを飲んで一息ついた後、先生が話しを切り出した。


先生 「さて、先程の話の続きですが…、質問力を高めるためのコツで
    すね。西村さんは、普段職場で後輩に質問を問いかけることは
    ありますか?」

西村 「普段はあまり質問はしていないです。質問するのは問題が起こ
    った時ぐらいなので、どういう風に質問するか等は意識してい
    ません。

    『結局何が原因だったんだ?』とか、『その時の担当者は誰だっ
たんだ?』とか…。そういう質問をします。」

先生 「なるほど。『何が原因だったんだ?』や『担当者は誰だったん
    だ?』と質問すると、どのような反応が返ってきますか?」

西村 「少し強めの口調で聞いてしまうこともありまして…、恐る恐る
    答えが返ってくる感じですね。怒っているわけではなく、問題
    解決のための情報を知りたくて聞いているつもりのですが、怒
    っていると捉えられてしまっている気がします。」

先生 「ふむふむ。そうですか。

    確かに、問題が起こった後だと早く原因を明らかにして報告し
    なければ、と気持ちが急いてしまいますよね。わかります。

    しかし、原因追及に焦る気持ちをぐっと抑えて、この様な言い
    方をしてみるのはどうでしょう?

    『これからこの問題が起こらないようにするにはどうした
    らいいと思います?』

    とか。」

西村 「なるほど。
    問題解決について尋ねているのは一緒ですね。」

先生 「そうですね。
    西村さんの『何が原因だったんだ?』という質問は、過去に焦
    点をあてていますよね。それを未来に変えただけなんです。

    大変重要な点は、質問というのは、質問された人の意識の焦点
を変える。ということなのです。
    例えば、西村さん、今何の音が聞こえますか?」

西村 「え、えっと、…

    外の道路を走る車の音が聞こえます。」

先生 「そうですね、その音はずっと意識していましたか?」

西村 「いえ、聞かれてから何が聞こえているか意識しました。」

先生 「はい。では、昨晩は何を食べましたか?」

西村 「…。あれっ…?何を食べたっけなあ……。

    ………

    あ! カレーライスです。」

先生 「はい。このように、質問というのは相手の意識を聴覚や視覚な
    どの五感に向けたり、未来や過去に向けたりするのです。
    質問されて初めてそのことを意識し、考えましたよね?」

西村 「なるほど。」

先生 「一言で『質問』と言っても、様々な種類のものがあります。

    限定質問 、 拡大質問

    過去質問 、 未来質問

    否定質問 、 肯定質問

    そして、コーチングの際に望ましい質問は、限定よりも拡大質
    問、過去よりも未来質問、否定よりも肯定質問、なのです。

    限定質問というのは、誰に聞いても同じ答えがあるものや、イ
    エスかノーで答えることのできる質問のことです。拡大質問は、
    無限の答えの可能性があり、相手を考えさせるような質問のこ
    とです。

    先程の西村さんの質問の1つ『担当者は誰だ?』は限定した答
    えを求めているともとれますし、過去形ですよね?」

西村 「確かに。受け手の立場にで考えると、何か責められているよう
    な感覚になってしまいますよね。
    本当は誰に聞いたら原因が分かるのかというのを聞きたいだけ
    で…、そして後輩にはそのことについて考えてほしいなと思っ
    ています。」

先生 「これらを拡大、未来、肯定形の方向に言い換えるとどうで
    す?」

西村 「『この問題に詳しい人は誰ですか?』とか『解決するため
    に必要な人は誰でしょう?』とか…。このような感じですか
    ね?」

先生 「そうですね。同じことを聞いているのですが、限定でなく拡大、
    過去から未来、否定から肯定に変えるだけで受け手の心情はず
    いぶんと変化しますよ。」

西村 「結局、自分が知りたい情報には変わりないですし、このように
    聞くことで、相手の答えや方向性が導きだせたり、気づきを与
    えることができるのであれば、それはとても素晴らしいことで
    すよね。」

先生 「今度から質問する前にちょっと意識してみてくださいね。これ
    が質問のコツです。」

西村 「はい。ありがとうございました。」

先生 「質問力がつけば、コーチングもスムーズに行うことができると
思います。」

西村 「いよいよ本題のコーチングですね。」

先生 「コーチングは、質問をすることと、相手の話を聞くことがとて
    も重要ですが、それは日常会話でも同じ事。
    日常会話とコーチングとの違いは、そのプロセスにあります。
    コーチングの流れを『GROWモデル』というのですが、『grow』
    という単語自体に『成長』という意味があるように、相手の
    スキルの向上や、成長を促すのがコーチングです。

    では、まず「G」から…
    ■【Goal】目標
    目標を明確にします。
    『目標はなんですか?』などと質問します。
    ここからスタートします。

    次に「R」
    ■【Reality】現実
    解決策を出すために現状を把握します。
    『現状どうですか?』などと質問します。
    現状が分かると、目標とのギャップが見えてきます。

    それから「O」
    ■【Options】選択肢
    目標達成のための解決策を出していきます。
    『どう解決しますか?』と質問し、
    相手にたくさんの解決策の選択肢を出してもらうのです。

    最後に「W」
    ■【Will】意志
    最後に意志を確認します。
    相手の計画を聞くわけですね。
    そうすると頭の中で段取りができてる人はスッと答えが出てき
    ます。
    段取りできていない、手薄なことがある人は言えないでしょう
    から、自分の中で何から始めれば良いかがわからない状態
    にあるのだ、ということに気付きます。その場合は、
    『まずなにから手をつけますか?』
    などと質問します。
    最終的には具体的な行動に結びつく事が重要です。


    この流れが『GROWモデル』です。
    GROWモデルも絶対にこうすればいいというものでありません。
    このようにすることが望ましいですよというモデルです。」

西村 「なるほど。この流れを頭に入れておくと良いのですね。

    流れの中で相手に「気付き」を与えていくところがポイントで
    すね。」

先生 「その通りです。
    コーチングでは、問題を解決する答えを見つけ出すのはコーチ
    ングを受けている人自身ですから、ティーチングやアドバイス
    ではなく、相手に気付かせる、ということがとても重要です
    ね。」




ピンポーン


呼び鈴がなった。



先生 「先程の電話の方が来たようですね。」

西村 「ここで一緒に聞いていて良いのですか?」

先生 「はい、了承は得てありますので、大丈夫ですよ。これから、目
    標達成のお手伝いをするためのコーチングを行いますから、
    しっかりと見ておいて下さい。」

西村 「わかりました。」


先生の秘書が、相談者の方を応接室へ案内し、そこで先生と西村さんは
簡単な挨拶と紹介を済ませた。


今回の相談者は村上さん、38歳、会社員。今日は仕事のことではなく、
プライベートな目標に関してコーチングしてもらいたくやってきた。


村上 「こんにちは。こんなプライベートな相談で恐縮なんですが、
    実は、・・・・」


相談が始まった。

- 続く -


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 次回予告 
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次回は、先生が村上さんにコーチングを行っている様子をお届けします。
お楽しみに!

次回メルマガは12月3日(水)発行予定!

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発 行   セイ・コンサルティング・グループ株式会社

      伊藤 美陽 

お問合せ:info@saycon.co.jp

全国でITプロフェッショナルのための研修を実施しています。
http://www.saycon.co.jp/

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