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SE,PGのためのヒューマンスキル vol.26

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    SE,PGのためのヒューマンスキル vol.26

 

     ネ┃ゴ┃シ┃エ┃ー┃シ┃ョ┃ン┃編┃

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 〈ネゴシエーション編 目次〉

第1話 「 交渉の本当の目的 」

第2話 「 交渉の目標設定 」

第3話 「 交渉の五つの武器 」

第4話 「 力関係 」

第5話 「 力関係を強める4つの戦略 」

★第6話 「 心理 」

 

           ■ 第6話 ■

 

 

    ∞~∞【 20091028 () 発行 】∞~∞

 

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前回ご紹介した交渉の5つの武器のうち「力関係」に関しては一朝一夕

には身につかないものです。ですので、いざ交渉となった時には実質上

「心理」から始まることになります。

 

ところで、なぜ心理が重要なのでしょうか?

 

簡単な説明としては、以下の質問に答えてみて下さい。

 

「あなたは車を買うときどのようなセールスマンから買いますか?」

 

決して嫌いなセールスマンから買いたいとは思いませんよね?

好きな人、少なくとも好感の持てる人から買うのではないでしょうか?

 

交渉とはあなたの考えを「買ってもらう」ことです。いくら論理的に正

しくとも、嫌われたら最後、話を聞いてもらえないのです。

 

さらに「心理」が重要であるということを論理的に説明してみましょう。

 

人間の脳が重層構造を取っているということはよく知られた事実です。

つまり、下から脳幹、小脳、大脳皮質です。

 

発生学的には「個体発生は系統発生を繰り返す」ということが知られて

います。すなわち、人間もお母さんのおなかの中では最初魚類のような

形をしていて、その後、両生類、は虫類、ほ乳類のように進化の過程を

たどるのです。

 

先ほどの3つの脳の部位は、この進化の過程に対応しています。すなわ

ち、脳幹や小脳は、は虫類の脳とも呼ばれ、主に本能や情動、つまり

「心理」を制御しています。一方、大脳皮質は人間の脳とも呼ばれ、主

に「論理」を制御しています。

 

コンピューターにたとえるなら、脳幹や小脳はBIOS(Basic Input

Output System)、大脳皮質はOS(Operation System)なのです。

 

この二つのどちらがより本質的であるのか、どちらがより強いかという

ことは説明するまでもないかと思います。つまり、一人の人間の中で

「心理」と「論理」が戦ったならば、常に「心理」が勝つということで

す。

 

嫌われたらアウトだということです。

 

そこで重要なことは「相手の立場から一緒に考える姿勢」です。かつて

松下幸之助翁はこう言いました。「商売というのは簡単だ、相手の立場

に立てさえすれば」。

 

■鉄則 ○○の立場に立とう!

 

交渉はえてして、「あなた VS わたし」のように競争関係になって

しまいがちです。しかし、望ましい交渉とは「あなたとわたし VS 

問題」のように共創関係になることなのです。

 

あなたとわたしの間に「問題」というのもが浮かんでいる。それを二人

で眺めながら「あーでもない、こーでもない」と話し合うことができる

ことが本当の交渉なのです。

 

そして、「感情的にならない」ということも大切です。感情的になった

ら負けなのです。最新の脳科学の知見によれば、感情のピークは6秒だ

そうです。つまり、どんな激しい怒りであっても6秒やり過ごすといっ

たんはピークアウトするのです。

 

思わず捨て台詞を言いたくなったら、6秒待ちましょう。なにしろ「捨

て台詞は一生タタル」ものですから。

 

■鉄則 感情的になりそうになったら○秒待て!

 

私達は、得より損に強く動かされるという事実を知っておくことも有効

です。つまり、「こうすると得ですよ」という説得方法よりも「こうし

ないと損ですよ」といわれた方が人は強く動かされるのです。

 

これは、行動経済学の世界で「プロスペクト理論」として知られていま

す。ちょっとここで実験してみましょう。ぜひ自分自身で以下の問題を

やってみてください。まわりの人に訊いてみるのも面白いでしょう。

 

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問題

AかBを選んでください。

 A.80万円を必ず貰える。

 B.100万円貰えるけど、20%の確率で貰えない

 

では次に、CかDか選んでください。

 C.80万円を必ず支払う。

 D.100万円を支払うが、20%の確率で支払いを免れる。

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いかがでしたでしょうか?

AとDという回答が多かったのではないでしょうか?

 

しかし、本当はAとB、CとDは等価なのです。

 

このような場合は、期待値を計算しないと正確な判断は下せません。期

待値とは結果として得られる数値の平均値のことですからこうなります。

 

 A.80万円×100% = 80万円

 B.100万円×80% = 80万円

 

この結果を見るとAとBは等価です。しかし、実際にはAを選ぶ人が多

いです。(研修では9割以上)つまり、人は利益側ではリスクを回避す

るように振る舞うのです。

 

C、Dも同じく期待値計算してみます。

 

 C. -80万円×100% =  -80万円

 D. -100万円×80% = -80万円

 

ここで注目していただきたいのは、先ほど利益を得られるときには人は

リスクを避けましたが、損失側ではリスクを追及しているということで

す。(確率が80%のほうを選んでいる)

 

この結論は恐らくこういうことではないでしょうか?

 

大昔人類がジャングルで生活していたときに食料を見つけたときどうい

う行動を取るか?

その食料を確実に確保したのではないでしょうか?

あるいは敵に襲われたときにはどうしたでしょうか?

一か八かであっても逃げたのではないでしょうか?

 

人が決断することには常に間違うというリスクがあります。

(本当は決断しないリスクというのが一番怖いのですがここでは考えません)

そこで相手に決断というリスクを迫るには、得より損をアピールすべきなの

です。

 

■鉄則 相手の○を説け!

 

たとえば、カットオーバー直前の仕様変更要求があった場合、

 

「私の経験上、それはお客様の不利になる」

 

ということがどれだけ伝えられるかが重要です。

あくまで事実に基づいた指摘で、

ウソがいけないことは言うまでもありません。

 

そして、交渉の心理において最も重要なことは、「相手の話を聴く」と

言うことが最上の戦略になります。

 

このことを次回考えていきたいと思います。

 

■鉄則 相手の立場に立とう!

■鉄則 感情的になりそうになったら6秒待て!

■鉄則 相手の損を説け!

 

 

 〈ネゴシエーション編 目次〉

第1話 「 交渉の本当の目的 」

第2話 「 交渉の目標設定 」

第3話 「 交渉の五つの武器 」

第4話 「 力関係 」

第5話 「 力関係を強める4つの戦略 」

★第6話 「 心理 」

 

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