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SE,PGのためのヒューマンスキル vol.23

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    SE,PGのためのヒューマンスキル vol.23

 

     ネ┃ゴ┃シ┃エ┃ー┃シ┃ョ┃ン┃編┃

     ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛

 

 〈ネゴシエーション編 目次〉

第1話 「 交渉の本当の目的 」

第2話 「 交渉の目標設定 」

 ★第3話 「 交渉の五つの武器 」

第4話 「 力関係 」

第5話 「 力関係を強める4つの戦略 」

第6話 「 心理 」

 

            ■ 第3話 ■

 

 

    ∞~∞【 2009916 () 発行 】∞~∞

 

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ここでは、交渉のフレームワークをみてゆきましょう。フレームワーク

というのはコミュニケーション編でお話しました。"全体像"とか"枠組

"を意味する言葉でしたね。すなわち交渉の全体の枠組みをまずは示

したいと思います。交渉で我々が使用できる武器には次の5つがありま

す。

 

1.力関係

2.心理

3.論理

4.逆提案

5.妥協

 

では、この5つの武器をざっと概観していくことにしましょう。

 

●交渉の5つの武器

 

1.力関係

力関係とは、相手との交渉の前に、あらかじめ有利なポジションを占め

ておくことと定義します。力関係の種類としては、相手組織との関係や

相手個人との関係、あるいは直接の相手以外の第三者との関係等があり

ます。

 

たとえばユーザーとベンダーの間での"力関係"はどちらが強いでしょう

か?

 

「それは、もちろんユーザーでしょう。世の中お金を出す方が強いもの

です」

 

確かにユーザーの方がお金を出しているだけに力が強いです。しかし、

1000でユーザーの方の力が強いということはないはずです。5050

(フィフティフィフティ)ということもないかもしれませんが…。

 

"ネゴシエーション"の研修を実施しているのは圧倒的にITベンダー企業

が多いのですが、ときどきITユーザー企業からご依頼をいただくことも

あります。名前を出せば誰でも知っている有名企業ですから力関係でい

えば圧倒的に強いはずです。なぜ研修をする必要があるのですか、と研

修を企画した責任者の方に聞いてみました。

 

「御社でしたらどんなベンダーさんでもよりどりみどりではないです

か?」

 

「いやー、それが力のあるベンダーさんほど!)いざ!)となったら他の仕

事がありますから逃げられるんですよ」「どんな扱いをしても逃げない

ベンダーさんというのは力のないところなのでうちとしては付き合いた

くないんです」「だから優秀なベンダーを逃さないためのネゴシエーシ

ョンのあり方といった研修をしたいんです」

 

つまり身も蓋もない言い方をしますと力関係とはズバリ

「あなた(の会社)がいなくなって困る度合い」

だと言い換えることができます。

 

本当はユーザーも案件を断ることのあるような力のあるベンダーと組み

たいと考えているものです。

 

このような力関係は多かれ少なかれ全ての交渉につきものです。さらに

この力関係は、残りの4つの交渉の武器に影響を与えます。さらに、こ

の力関係だけは一朝一夕に身につくものではないということだけはご理

解いただけるものと思います。時間をかけて戦略的に養っていかなけれ

ばなりません。このことは次回みていきましょう。

 

■鉄則 力関係を○○的に強化せよ!

 

2.心理

心理とは、感謝、敬意など、好意的な言葉や行動で相手の心に強く訴え

ることです。相手の立場を考える。相手の事情に理解を示すことでもあ

ります。

 

どんな理不尽な要求であっても、それを主張している相手には相手の論

理があります。それを頭から否定しても相手は決してこちらの言い分を

汲んではくれないでしょう。まずは相手の心情を受け止めること、心に

訴えることが必要です。

 

■鉄則 相手の○○に訴えよ!

 

ただし、「心理」面を考慮していくら相手の感情を受け止めたとしても

それだけではタダのカウンセラーになってしまい、交渉にはなりません。

そこで次の「論理」が必要になります。

 

3.論理

論理とは、理由や根拠、情報や事実・データなど客観的根拠を用いて相

手を納得させることです。このことはコミュニケーション編で詳しくお

話ししました。人は「理解」してから「納得」するものです。ただしこ

の論理については留意点も多いのでそれはまた後でみていくこととしま

しょう。

 

■鉄則 プロは○○でも負けてはいけない!

 

IT業界で働く皆さんは論理に強い方々が多いようです。ともすれば論理

一辺倒で相手をねじ伏せようとする方を見かけます。しかし、論理の応

酬はえてして水掛け論になってしまい、お互いの主張は平行線をたどり、

いっこうに歩み寄らないことになりがちです。

 

そこで次の逆提案が必要になります。

 

4.逆提案

逆提案とは"複数の条件"において、一方の条件で相手の主張を受け入れ

ることの交換条件として、他方で自分の主張を提案することです。少し

わかりにくい説明でしたね。

 

ここで"条件"というのはたとえば、価格や納期といったような交渉の単

位となるもののことです。交渉カードと言い換えても良いかと思います。

 

たとえば、あなたが提供する商品やサービスについてお客様から

 

「もう少しまけてよ」

 

と言われたら、あなたは

 

「では、グレードを一つ落としましょう」

 

と言うかもしれませんね。

 

これは、"価格""品質"という条件を交換していることになります。こ

れが最もシンプルな逆提案です。

 

交渉の目的はパイをふくらませることでした。では、具体的にどのよう

にすればパイはふくらむのでしょうか?それは、この逆提案に他なりま

せん。相手の主張するA案ではなく、こちらの主張するB案でもなく、相

手も自分も納得できる創造的なC案を閃くことができるかどうか、それ

が交渉の一番面白いところです。

 

■鉄則 逆提案で○○をふくらませよ!

 

この逆提案が通れば交渉としては最高です。しかし、交渉には常に相手

がいるので自分の側の思い通りになるとは限りません。そこで必要にな

るのが、「妥協」です。

 

5.妥協

妥協とは、"同一条件"上において、対立する双方が主張の中間点をとり、

利益と痛みを分け合うことです。条件の中には、価格や納期のように一

本の数直線上に表現できるものがあります。たいがいベンダー側とユー

ザー側の主張には隔たりがあります。その間のどこか一点で折り合いを

付けるのが妥協です。

 

たとえば、サポート契約としてベンダー側は100万円欲しいと思ってい

る。ユーザー側は50万円しか払いたくないと思っている。そこで、中間

点をとって75万円で双方痛み分けにするといったことが妥協です。

 

交渉では、最悪の事態を想定しそれに備えるリスクマネジメントの視点

が欠かせないのでした。では、具体的にどのようなリスクマネジメント

が可能なのかといえば、あらかじめこの妥協案を考えておくというもの

です。そうすることで最悪の事態の一、二歩手前で止めることができる

のです。

 

■鉄則 妥協で○○を回避せよ!

 

この5つの武器は相互に関連しており、おおむね以下の図のように位置

づけることができます。

 

--------------------------------------------------------

  ┏━━━┓     バランス    ┏━━━┓

  ┃ 心理 ┃←───────────→┃ 論理 ┃

  ┗━━━┛─           ─┗━━━┛

    | |\           /| |

    |   \強化     強化/   |

 関連 |    ┏━━━━━━━┓    | 関連

(引く)|    ┃  力関係   ┃    |(押す)

    |    ┗━━━━━━━┛    |

    |   /強化     強化\   |

    | |/           \| |

  ┏━━━┓─           ─┏━━━━┓

  ┃ 妥協 ┃←───────────→┃ 逆提案 ┃

  ┗━━━┛     バランス    ┗━━━━┛

--------------------------------------------------------

 

ここで賢明な読者の方はすでにお気づきかもしれませんが、上記の交渉

のフレームワークの図において、理想的な交渉というのは、おおむね左

上の「心理」から始まって時計回りに進んでゆくものです。

 

すなわち、「心理」で相手の心を受け止め、心情を理解し、「論理」で

こちらの主張を筋道を立てて説明し、双方の主張を交わし相手の状況を

十分理解した上で、「逆提案」によってWin-Winとなるような提案をす

る。その提案が通れば良いのですが、通らなかったときは「妥協」の案

を出す。

 

では、この順番に従って以下の章では一つずつ順番にみていくことにし

ましょう。

 

〈今回のまとめ〉

■鉄則 力関係を戦略的に強化せよ!

■鉄則 相手の心情に訴えよ!

■鉄則 プロは論理でも負けてはいけない!

■鉄則 逆提案でパイをふくらませよ!

■鉄則 妥協で最悪を回避せよ! 

 

 

 

 〈ネゴシエーション編 目次〉

第1話 「 交渉の本当の目的 」

第2話 「 交渉の目標設定 」

 ★第3話 「 交渉の五つの武器 」

第4話 「 力関係 」

第5話 「 力関係を強める4つの戦略 」

第6話 「 心理 」

 

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