~誤解なく伝えるためのドキュメンテーション研修~

研修成果

  • IT技術者に必要不可欠な文書表現、ドキュメント作成のスキル等を理論と実践を通じて身につけます。
  • ドキュメンテーション実習を個人ワークのみならずグループワークで実施することにより、参加者の方々と交流しながら、楽しく身に付けることができます。
  • 講師、他者と様々なフィードバックにより自己のドキュメントの欠点が把握でき、改善の方策を自ら見いだしていける内容です。
ドキュメンテーション研修

達成目標

  1. 技術ドキュメントとして過不足なく適切な情報量を盛り込むことができる。
  2. 誤解のないシンプルで分かりやすい文章表現ができる。
  3. 読み手の視点から適切な用語を使い、分かりやすい構成の文章を作成することができる。

対象

  • 入社3年目以内程度の若手IT技術者
  • その他の業界にお勤めでDX推進のために文章力を必要としている方

※本講座では、以下のような報告書等の文書作成の演習を行うため、事前に文章化するテーマを1つ考えておいてください。

【テーマの例】
 ・企画書  (例.スマホアプリの企画)
 ・報告書  (例.セキュリティ対策実施状況報告)
 ・提案書 (例.タブレット端末導入のご提案)

前提知識:マイクロソフトワードまたはグーグルドキュメントの基本操作に関する知識

定員:10名様(超える場合はご相談ください)

カリキュラム(オンラインも可能です)

1日目

◎研修の目的と目標【講義】

1.IT業界のドキュメントの大切さ【演習】
 (1)システム開発におけるドキュメントの役割
   ・仕様か欠陥か
   ・ 常識か非常識か
   ・プロジェクトの主な失敗
 (2)IT現場におけるドキュメントの種類
 (3)分かりづらいドキュメントとは?

2.ドキュメントの作成手順【演習】
 (1)記載事項の抽出
   ・情報の洗い出し
   ・情報どうしの関係の整理
 (2)ドキュメントの構成【演習】
   ・IT技術文書の典型的な構成
   ・理論性を高める構成
 (3)ドキュメントの表現

2日目

 3. ドキュメントの表現【演習】
 (1)日本語に特有の問題と解決策
   ・文字種をバランスさせる
   ・長文を避ける
   ・接続詞で文の関連を表現する
   ・結論先置きにする接続詞
   ・主語述語の係り受けを明確化する
   ・繰り返しにより強調する
   ・文末を統一する
   ・敬語を正しく使い分ける
   ・言葉を正しく使い分ける(の、より、から、で)
   ・同音異義語、など

(2)文章のポイント(議事録、報告書、メールなど)


4. ドキュメント作成【演習】
 ・個人ワーク、ペアレビュー、講師フィードバック


◎総まとめ               
 ・自己成長のための指針

価格(ノンカスタマイズの場合)

※名古屋市内からの交通費と宿泊費が別途必要な場合があります

講師料:30万円(税別)※受講者10名様までは講師一人で対応いたします。それ以上の人数になる場合はご相談ください。

テキスト代:3,000円(税別) ✕ 研修参加人数

作成するドキュメントの例

IT技術者のためのドキュメンテーション研修
受講者の作成したドキュメントをレビューしていきます

IT技術者のためのドキュメンテーションへの感想

ドキュメンテーション研修
受講者様

他人に見せるための文章を作成するためのスキルを多く学ぶことができた。今までは自分で文章を書いていておかしいとわかっていても最適な修正の仕方がわからなかった。しかし今回の研修で修正の仕方を学べたので業務で使えるようにしたい。正直もっと早くこの研修をしたかったです。
今回も研修を開催していただきありがとうございます。これからの業務に生かします。

ドキュメンテーション研修
受講者様

ドキュメンテーションについて学ぶことができました。今後の業務でも今回の研修で得た知識を活用していきたいと思います。

ドキュメンテーション研修
受講者様

非常に知見の深まる研修となりました。講師の方がフォローしてくださったおかげで大変有意義な研修となりました。自分のドキュメントの作成能力が不足していることを実感したため、今後もこの研修を振り返りながら学びを深めたいと思います。

ドキュメンテーション研修
受講者様

考える時間をこまめに取る、休憩をこまめに取るなど、研修の内容を一度に詰め込みすぎないように様々な工夫がされており、伸び伸びと研修を受けることができました。ありがとうございました。

ドキュメンテーション研修
受講者様

文章を作成しつつ、文章作成のポイントを学びながら修正していくスタイルが新鮮で、学んだ内容をすぐに反映できたのが良かったです。最後の添削時間をもう少し頂けたらうれしかったです。
今回はありがとうございました。

ドキュメンテーション研修
受講者様

文書作成を楽しく学ぶことができました。営業の部署に7月から配属されたため、今後営業報告書や提案書などを書く場面が多くなるかと思います。その際に今回学んだことを思い出しながら、読み手に伝わりやすい文書作成を心がけたいと思います。

ドキュメンテーション研修
受講者様

説明が大変分かりやすく、頭に入ってきやすい順序で学ぶことができました。インプットとアウトプットが丁度よく盛り込まれていて、ドキュメント作成能力の向上を実感することができました。

ドキュメンテーション研修
受講者様

とても勉強になる研修でした。会社でも、まず文章を作り上げる前に「キーワード」を広げて、文章化するコツを身につけていきたいと思います。
職種柄、文章を作成する機会が多いため、今回の研修で学んだことを活かしていきたいと思います。

この研修の別バージョン

速習! IT技術者のためのドキュメンテーション(1日間)

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1.1 IT技術者のためのコミュニケーション研修

キーワード:論理思考、ノンバーバルコミュニケーション、プレゼンテーション

IT技術者のためのドキュメンテーション研修で受講者から頂いた質問

研修受講者の文章を見ていて一番多く見かける良くない点を教えて下さい。

一文が長過ぎることです。

一文一意にすることで分かりやすい文章になります。

長すぎる文とは以下のような文です。

現在の社員が保有するスキルレベルでは、顧客が満足するサービスの提供は困難であるので、問題を解決するためには、社員の体系的なスキルアップの仕組みが必要である。

ねじれ文とはなんですか?

ねじれ文とは主語と述語が対応していない文のことです。

例えば以下のような例があります。

「私の得意なプログラミング言語は、JavaやVBAのプログラムを書いています」

私の得意なプログラミング言語は → 書いています。

と主語と述語をつないだときに意味が通じないのがねじれ文の特徴です。

日本語は主語が省略されることもあり、主語を意識しないため主語と述語の関係がねじれた文章がよく見られます。

修正例としては以下のようなものがあります。

修正例①:「私の得意な言語は、 JavaやVBA です」
修正例②:「私は、 JavaやVBAが得意です」

一番良いのは読み上げることです。私はブラウザソフトのマイクロソフトエッジの機能を使って読み上げさせてチェックしています。

よくある紛らわしい日本語表現にはどのようなものがありますか?

全てを列挙できませんが、代表的なものとして次の5点を挙げさせていただきます。

1.二重否定
 例:レスポンスタイムが遅くないわけではない
 →「レスポンスタイムが遅い」の方がすっきりしてわかりやすい。


2.受動態
  例: 管理者権限が使われる
  → 主体が明確でない。敬語と混同する可能性もある。


3.誤解されやすい条件
  例: 電話番号およびメールアドレスを入力する
 →「および」は本来「AND条件」を意味するが、「OR条件」と勘違いしている人も多い。


4.誤解されやすい条件
 例:入力フィールドは100まで
 →100が入ると解釈するのが正しいが、入らないと誤解される可能性がある。
 →また、整数以外の入力を認めるのかわからない。


5.略語
 例:RAMをつくる
 →Random Access MemoryとResponsibility Assignment Matrix(責任分担表)の2種類の解釈が可能である。

以上のようなケースが過去にありました。

「です・ます」調で文章を書いたとき語尾が単調になるのが気になります。

確かに以下の例文のように文末に「す」の音が4行以上に渡って続くと単調に感じるように思われます。

私はシステムエンジニアです。
普段はシステム開発プロジェクトに所属しています。
大変なのは納期に追われたときです。
それでもやりがいのある仕事です。

単調でなくすには3回に1回は「す」音以外で文を終えるようにすると良いでしょう。

次のような方法があります。

1.過去形の「た」で終える。

私はシステムエンジニアです。
普段はシステム開発プロジェクトに所属しています。
大変なのは納期に追われたときでした。
それでもやりがいのある仕事です。

2.否定形にして「ん」で終える。

私はシステムエンジニアです。
普段はシステム開発プロジェクトに所属しています。
納期に追われたときは大変としか言いようがありません。
それでもやりがいのある仕事です。

3.疑問形にして「か」や「う」で終える。

私はシステムエンジニアです。
普段はシステム開発プロジェクトに所属しています。
納期に追われたときは以上に大変なことはあるでしょうか。
それでもやりがいのある仕事です。

4.「とき」、「こと」、「もの」で終える。

私はシステムエンジニアです。
普段はシステム開発プロジェクトに所属しています。
大変なのは、何と言っても納期に追われたとき。
それでもやりがいのある仕事です。

5.体言止め

私はシステムエンジニアです。
普段はシステム開発プロジェクトに所属しています。
大変なのは納期厳守。
それでもやりがいのある仕事です。

読点「、」の使い方にはどのようなものがありますか?

読点は、その名の通り文章を読みやすくするためのものです。

次のような使い方があります。

1.漢字やひらがなを区切る

悪い例:システム開発部長田渕さんが出席しました。

良い例:システム開発部長、田渕さんが出席しました。

悪い例:ここではきものをぬいでください。

良い例:ここで、はきものをぬいでください。

2.主語と述語の係り受けを明確化する

悪い例:最近取引が始まったA社のシステム開発部長に新しく選任された田渕さんが会議に出席しました。

良い例: 最近取引が始まったA社のシステム開発部長に新しく選任された田渕さんが、会議に出席しました。

3.読点の前の語を強調する

悪い例:しかし一言もシステムの不具合については発言しませんでした。

良い例: しかし、一言もシステムの不具合については発言しませんでした。

4.名詞を列挙するとき

悪い例:私が得意なプログラミング言語はJavaとJavascriptとPythonです。

良い例: 私が得意なプログラミング言語はJavaと、Javascriptと、Pythonです。

箇条書きの最後に句点「。」を付けるべきですか?

箇条書きが名詞で終わるなら付けない、複数の名詞からなる文章なら付ける

個人的にはそうしています。

根拠は法律の条文の書き方です。

例えば、以下は民法111条の引用です。

(代理権の消滅事由)
第百十一条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。

以上のように、「死亡」という名詞で終わっている場合は句点はなく、「 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと 」という文章には句点があります。

さらに、個人的な好みですが、上記のように1つの箇条書きに句点があったりなかったりするのは避けるようにしています。

ドキュメント作成時に有効なツールがあれば教えてください

文章校正」というツールがあります。

オンライン上のツールで文章を入力するか、URLを入れることで文章を構成してくれるツールです。

以下のような項目をチェックしてくれます。

表記・表現の間違い、不適切な表現の検出
… 誤変換、誤用、使用注意語、不快語 (使用不適切な語や隠語など)、機種依存文字または拡張文字、外国地名、固有名詞、人名、ら抜き言葉
わかりやすい表記にするための提案
… 当て字、表外漢字、用字
文章をよりよくするための提案
… 用語言い換え、二重否定、助詞不足の可能性あり、冗長表現、略語

https://so-zou.jp/web-app/text/proofreading/

英語の場合は「Grammarly」のようにリアルタイムで記述中の文章を構成してくれるツールがあります。

やがて日本語にも同様のサービスができるかもしれませんね。

Microsoft Wordを使っていてスタイルから「見出し」を選択したところその見出しの左側に「・」がついてしまいました。どうしたら消せますか?

・はスタイルが当たっていることを表す記号です。

印刷はされませんので安心してそのまま作業をお続けください。

句点は丸括弧()の前につけますか?後につけますか?

丸括弧の中身が語の注釈の場合は、丸括弧の後に句点を付けます。

SQLにはDDL(Date Definition Language)とDML (Date Manipulation Language) があります。

丸括弧の中身が文全体の注釈の場合は、 丸括弧の前に句点を付けます。

非依存関係と依存関係ではアイコンの表示も違います。(上記の例ではCountryCode)

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